スペシャルインタビュー

すべての子どもが安心して暮らせる地域づくりを目指す「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」

小さな子どもがいる家庭にとって、住まう地域の子育て環境がどのようなものかは、重要な要素であろう。ここ札幌市・円山エリアには、子育てに優しい地域づくりに力を入れている「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」がある。1986年から35年もの年月で子育て家庭の応援している「かざぐるま」。その代表理事を務める山田智子さんに、活動内容や地域の魅力についてお話を伺った。

設立から35年。子育て家庭を応援し続ける歩み

「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」代表理事 山田智子さん
「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」代表理事 山田智子さん

――まず、どのような経緯や想いで「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」の設立に至ったのかお聞かせください。

山田さん:1986(昭和61)年に、女性の社会進出を支え、大人も子どもも心豊かな時間を過ごせるようにと設立した「託児ワーカーズかざぐるま」が活動の起源です。最初は、集団保育のような「託児」が活動の中心でした。その後、1990年代後半に、依頼された家庭に出向いて、その家族が必要とするサポートをしたり、保護者の話を聴きながら、子どもの遊び相手などをする「訪問保育」が主流になりました。

この頃は全国的に少子化が問題になりつつあり、子育ての不安感や閉塞感、孤立感を感じる子育て家庭が増え始めた時期と言われています。実際に活動の中で、保護者とどう寄り添っていけばいいのかと、迷うことがあり、みんなで新たに学びを重ねました。そんな時、「子育て支援」という言葉に出会い、今後私たちの目指すべき方向性が見えたように感じたんです。そして2005(平成17)年に、全ての子どもが安心して心豊かに育つことが保障される地域社会の実現に寄与することを目的として、「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」を設立しました。

地域の親子の居場所づくり、必要な家庭に出向いての訪問支援、原始林での遊びまで!

アパートの2部屋をつなげているので中は広々
アパートの2部屋をつなげているので中は広々

――「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」では、主にどのような活動をされているのでしょうか。

山田さん:メインの活動は「子育て拠点てんてん」で行う子育てひろばです。アパートの2部屋をつなげて、週5回(金・日曜日以外)の午前10時~午後3時(現在、コロナウイルス感染拡大防止のため12時~1時までは閉所)に開催しています。ここでは子育て親子の交流のほか、相談対応や情報提供、いろいろな講座を行っています。例えば「小児科医による専門相談」や、編み物や味噌づくりなどを行う「いろいろ講座」、また、地域の助産師さんと協力して行う「赤ちゃんふれあい講座」などが人気です。「赤ちゃんふれあい講座」では、発達に合わせた赤ちゃんの抱き方やお世話の仕方、関わり方を学び合っています。参加された保護者からは「これまでこんな風に赤ちゃんについてゆっくり学ぶ機会がなかった」という感想をいただくことも多く、皆さん学びを自分なりの子育てに活かしているようです。

他にも私たちの自主事業として、「子育て拠点てんてん」で子どもを預かる「預かり保育」や、2才児が四季折々の円山自然を楽しむ「トコトコくらぶ」も行っています。また、赤ちゃんの沐浴や自宅の掃除などをお手伝いする「産前産後サポート」なども実施しています。

お知らせ事項はさまざま
お知らせ事項はさまざま

まるで実家のように、頼れるサポート

――「訪問保育」や「産前産後サポート」も貴重なサポートと思います。利用された方のお声などはいかがでしょうか。

山田さん:近くに実家や知人など頼れる人がいない方などに特に利用いただいいています。助かった、というお声はもちろん、産後サポートでは「温かくおいしくて栄養のある食事を用意してくれたので、貧血の数値が改善した」といったエピソードも。他にも、「何かあれば頼れる人(団体)がいるということが、大きな安心感につながっている」といった声もいただきます。

まるで家庭のような雰囲気に親子が集う
まるで家庭のような雰囲気に親子が集う

「ながら相談」も「個別相談」も。子育て家族の悩みに寄り添う

――「子育て拠点てんてん」では、どのような風に子育てに関する相談にのってくれますか。

山田さん:ここでは、日常会話に出てくるこまごまとした相談に対して、スタッフがその親子に合った情報提供をする場合もありますし、子育て親子の誰しもが共通する「子どもの夜泣きはどうしている?」「子どもが離乳食を食べない」「どうやってトイレに連れて行ったらいいの?」などの相談に対しては、保護者同士が知恵や工夫を持ち寄って語り合い、自分に合ったやり方を見つけていくこともあります。ひろばを通して、保護者同士の支えあいや助け合いにつなげていきたいと考えています。

また、個別で相談を希望する保護者に対しては、じっくりお話をお聴きして今後の方向性を一緒に考え、必要に応じて前述の「小児科医による子育て相談」や保健センター、幼児教育支援員など、連携している専門機関につなげることもあります。

行政との連携もしっかりと確保

様々な悩みの相談も行いやすい
様々な悩みの相談も行いやすい

――NPO法人として、行政と連携していることがあれば教えてください。

山田さん:北海道主催の「地域子育て支援拠点職員研修」に長年協力しています。また、「子育て拠点てんてん」は「札幌市地域子育て支援拠点ひろば型」として活動しているので、札幌市とも連携を図っています。そのほかにも札幌市が子育てしやすいまちになるように、市長や担当部局に提言を行ったりもしています。

本音を語り合う場をこれからも利用者親子と共に築いていきたい

豊かな自然がすぐそばにある環境
豊かな自然がすぐそばにある環境

――今後、どのような子育て応援を続けていきたいと考えていますか。

山田さん:このようなコロナ禍が一日も早く終息し、みんなで食卓を囲める当たり前の日常が取り戻せたらと思っています。やっぱり他の親子などとみんなで食卓を囲むことが大事と思っており、一緒に食べながら本音を語り合ううちに本当の意味での仲間になれる気がするのです。また、子どもたちにもマスクをかけていない大人の顔や表情を見せてあげ、一緒に笑い合いたいです。

――最後に、札幌市円山エリアの魅力をお聞かせください!

山田さん:「森であそぼ」や「トコトコくらぶ」を行っている約68haの広大な「円山公園」が身近にあることです。今、子どもたちはアスファルトやコンクリートの上で育っています。ですので、子どもたちを自然の中に返すという意味でも、公園内の原始林の中で子どもたちがのびのびと遊ぶことができるのは円山エリアの一番の魅力ですね。

また、札幌の中心部まで地下鉄に乗って15分で行けるので、利便性の高さにも魅力を感じています。生活も円山エリアで完結するので、便利な街だと思っています。

「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」代表理事 山田智子さん
「NPO法人 子育て応援 かざぐるま」代表理事 山田智子さん

NPO法人 子育て応援 かざぐるま

代表理事 山田智子さん
所在地 :札幌市中央区南3条西28丁目1-20 第3睦マンション101・102
電話番号:011-676-3387
URL:http://kazaguruma.boo.jp/index.html
※この情報は2021(令和3)年10月時点のものです。