スペシャルインタビュー

子どもが遊べる環境を大人で作る「桑園あそびばプロジェクト」

「あそびば桑園」の様子(2021年10月9日)
「あそびば桑園」の様子(2021年10月9日)

JR「札幌」駅からひと駅の場所にある桑園エリア。再開発によってマンション建設が進み、札幌市の中でも人口が増え続けているエリアの一つだ。桑園の魅力の一つに挙げられるのは、子どもが遊べる環境が整っていること。そこで今回は、「桑園公園」で実施された外遊び企画「あそびば桑園」にお邪魔し、このイベントを主催する「桑園あそびばプロジェクト」事務局の寺坂崇さんにお話を伺った。

子どもが遊びやすい環境を、大人が積極的に整える

桑園あそびばプロジェクト 事務局 寺坂崇さん
桑園あそびばプロジェクト 事務局 寺坂崇さん

――「子どもが自由な発想で楽しめる屋外の遊び場を地域の大人で作ろう!」と集まった有志の団体とお聞きしましたが、どのような経緯でこのプロジェクトが立ち上がったのですか。

寺坂さん:私が桑園の町内会の班長になったのがきっかけです。私はかつて札幌市南区の真駒内で、閉校した小学校を使った常設の遊び場を企画・運営していました。その際「桑園の町内会に入らないか?」と誘われたんです。そして、会合などに参加しているうちに、ある方に「寺坂君は何の仕事をしているの?」と聞かれ、仕事内容をお伝えしたところ「それおもしろいね!」と興味をもっていただいたんです。その後「桑園でも遊び場を使った取り組みをやってみよう!」という話になり、現在の桑園あそびばプロジェクトが始まりました。

 

「いつ来ても、いつ帰ってもいい」スタイルで運営参加しやすい環境に

2020年9月に行われた「あそびば桑園」の様子
2020年9月に行われた「あそびば桑園」の様子

――現在、どのくらいのメンバーの方で運営されていらっしゃいますか。

寺坂さん:桑園あそびばプロジェクトのメンバーは10人程度います。主婦やお店の経営者、カメラマンや教員の卵まで、様々な方がメンバーになっていますが、それぞれ忙しく時間も合わせることはなかなか難しいです。なので、あえて全員揃わなくても構わない、というスタンスで運営しています。今日のあそびば桑園も、団体のメンバーは2人だけであとは地域のボランティアさんで実施していました。そんな気楽なスタンスを表すかのように、来場者も「いつ来ても、いつ帰ってもいい」という遊び場だから、自然に人が集まりやすいのかと思います。

――誰でも一緒にプロジェクトに参加できるのでしょうか。

寺坂さん:桑園在住、または桑園に関わる方であれば誰でもメンバーに参加できます。現在は、20代~60代くらいまでの幅広い年代のメンバーが集まっています。

――発足以来、具体的にはどのような活動をされているのか教えてください。

寺坂さん:主に「プレーパーク」という、子どもの自由な遊びの環境を保障する活動を行っています。また以前には「桑園こどもDAY」という活動も行いました。これは札幌市の「さっぽろ子どもの権利の日(11月20日)」に関連して実施しようと考えたイベントで、桑園内の美容室で「子どもがヘアセットを体験できる取り組み」を実施したり、ケーキ屋さんが「釣り堀で、ミニクッキーを釣る」というおもしろい企画を実施したりしました。これまでこのような企画に取り組んできたことが繋がって、今年は「桑園おさんぽ日和」という、子どもたちが地域の施設や店舗を回るウォークラリーを行っています。

桑園公園の木にくくりつけたハンモックを揺らして遊ぶ子どもたち
桑園公園の木にくくりつけたハンモックを揺らして遊ぶ子どもたち

――参加される方は、どのような方がいらっしゃいますか。

寺坂さん:参加する方たちは大きく4パターンに分けることができます。まずは「近隣の子どもだけが遊びに来るケース」です。これは「あそびば桑園」があるから来る子どもだけでなく、近くの「札幌市立桑園小学校」から「桑園公園」に遊びに来て、そのまま「あそびば桑園」に参加する子どもたちです。

2つめは「親子で遊びに来るケース」です。小学校低学年ぐらいまでの子どもと、その両親が一緒に遊びに来ています。「あそびば桑園」には、母親だけでなく父親も一緒に来る方が多いのが特徴で、そこで父親同士の交流も生まれているんです。ほかには「学童などの集団」で遊びに来る子どもたちや、「あそびば桑園を全く知らない方が来てくれるケース」もあります。

 

遊び場づくりは子どもだけでなく、大人の交流の場にもなっている

大人が助言しなくても、子どもたちが自ら遊び方を考え実行している
大人が助言しなくても、子どもたちが自ら遊び方を考え実行している

――子どもだけでなく、大人の交流の場にもなっているとのことでしたが、そこでの交流によって生まれたものなどがありましたら教えてください。

寺坂さん:「あそびば桑園」の取り組みがモデルとなって、最近、ほかの地区にも波及したケースがあります。隣の地区に「やちだも公園」という公園があり、その公園の近くに住む母親が、この「あそびば桑園」に遊びに来ていたんです。そこで「あそびば桑園のような企画をやりたい」と相談を受けました。そして実際に、10月24日に「やちだも公園」で外遊び企画を実施する予定です。このように子どもだけでなく、大人の交流によって生まれた企画もあります。

また、今日の「あそびば桑園」で父親同士の交流があったのは驚きました。最近のマンションでは、隣に誰が住んでいるのかわからないことも多く、トラブルが起こることもあるようです。トラブルが起こるのは、直接交流する場がないのが原因の一つだと考えています。ですので、「あそびば桑園」を通じて「大人同士の交流の場も作りたい」という狙いもあります。

あそびば桑園では、大人・子ども関係なく全員が協力して後片付けを行う
あそびば桑園では、大人・子ども関係なく全員が協力して後片付けを行う

――今後予定している活動があればお聞かせください。

寺坂さん:今日実施した「あそびば桑園」は、このまま継続していこうと思っています。参加者や手伝ってくれる方が増えれば今後さらに回数を増やしていけるので、より多くの方に関わってもらえるようにしていきたいですね。

また、最近できていなかった「桑園ご近所みちあそび」も復活させたいと考えています。2019(令和元)年9月8日に、地元の人から「ミニ大通」と呼ばれている路上で実施した企画です。道路の歩行者天国内で、子どもが段ボールや昔遊び道具で遊んだり、チョークで絵を書いたりしました。

「桑園ご近所みちあそび」
「桑園ご近所みちあそび」

 

何かやっていこう!という雰囲気と、暮らしやすい環境がある桑園エリア

――最後に、札幌市桑園エリアの魅力をお聞かせください。

寺坂さん:札幌市は行政がしっかりしていますが、そこだけに頼らず、民間で運営している組織が色々あるのもおもしろいところです。たとえば、地区内にお住いの方同士で情報交流ができる「桑園交流ネットワーク」や、若い方がつながれる「桑園会」、地域で子育てしやすい環境をつくる「桑園子育て支援ネットワークささえ隊」などがあります。なかには行政の支援が入る前からできている団体もあり「行政に依存せずに何かしらやっていこう」という雰囲気が、桑園にはあるんです。桑園は単身赴任者も多いので出入りの激しい地域ですが、そのような中でも自主的に動く団体があるところが魅力だと感じています。桑園には、新しい物好きな方も多いので「何かしらやりたい!」という方はぜひ桑園に来ていただきたいです。

住環境の面で言うと、「札幌」駅からひと駅の距離にありながらも閑静な住宅街が広がっているので、とても住みやすい地域です。また最近、スイーツ系やパン屋などの新しいお店が次々と出店しているので、住んでいて楽しい地域だと思います。

あそびば桑園実施後の振り返りの様子
あそびば桑園実施後の振り返りの様子

 

桑園あそびばプロジェクト 事務局 寺坂崇さん
桑園あそびばプロジェクト 事務局 寺坂崇さん

桑園あそびばプロジェクト

事務局 寺坂崇さん
所在地 :北海道札幌市中央区桑園
電話番号:080-1973-1349
URL:https://soenasobi.blogspot.com/
※この情報は2021(令和3)年10月時点のものです。