高級フレンチから漢方専門薬局まで、こだわりの店が集まる「裏参道商店街」
落ち着いた雰囲気が人気の札幌市中央区の円山エリア。南1条通りの西20~27丁目間にはおしゃれな店が建ち並び、「裏参道商店街」の愛称で親しまれている。数年前に東京から、生まれ育った円山に帰ってきたという「裏参道商店振興会」の渡邉一弘会長と一緒に商店街を回りながら、同会の取り組みや裏参道エリアについて話を聞いた。
個性豊かな店が集まる、ブランド価値の高い裏参道エリア
――はじめに、「裏参道商店街」の歴史や概要をご紹介ください。
渡邉会長:円山は、明治初めに北海道開拓の神様を祭る地として選定された場所。裏参道は「北海道神宮」への参道で、もちろん表参道もあります。かつては農村地帯で、生産者が野菜を持ち込む朝市がありました。いつしか加工食品や日用品も売られるようになり、商店街として発展していきました。
そして1976(昭和51)年の地下鉄東西線開通を機に、個性的なショップが次々と開店。ファッションビルもオープンして感度の高い若者が集まるようになり、おしゃれスポットとして定着しました。
渡邉会長:通り沿いにはマンションが建ち並んでいて、いわゆる「商店街」という言葉からイメージされる雰囲気とは少し違うかもしれません。「裏参道」というエリアと言った方がイメージは近いでしょうか。
振興会に加盟しているのは現在92社ですが、加盟していないお店などを入れると300店舗近くあると思います。振興会の会員の半数以上は一般企業や銀行になります。「裏参道」エリアはひとつのブランドとなっていて、その価値を維持するために大変ご協力いただいています。特に北海道銀行さんや北洋銀行さんが会員になっていることは、皆さまへの信頼につながっていると思います。
――「裏参道商店街」の維持や活性化、地域との連携のために取り組んでいることがあれば、お聞かせください。
渡邉会長:年に2回、商店街の清掃を行っています。遊歩道の整備や花植えといった町内会の活動にも参加していますし、まちづくりセンターや札幌市とも連携しています。「裏参道マップ」を制作・発行して新聞等に折り込み、近隣住民へのアピールも行っています。
専門性を追求した個人店とショッピングセンターが共存
――たくさんの店舗があると思いますが、その中からいくつか特色あるお店をご紹介ください。特にこの辺りに暮らす方々がよく利用されるお店があれば、教えてください。
渡邉会長:この辺の人がよく利用するのは、「円山公園」駅近くのショッピングセンター「マルヤマクラス」でしょうね。スーパーマーケットの「マックスバリュ マルヤマクラス店」をはじめスポーツジムや音楽教室なども入っていて便利です。
渡邉会長:個人商店だと、「ベーカリーパオン」というパン屋さんがいつもにぎわっています。漢方薬専門の「東洋薬局」や自転車販売・修理を行う「鈴木自転車商会」なども、ここに住んでいる人には日常的に利用されていると思います。
渡邉会長:「鮨無双」や「円山焼肉 ぶる」、フレンチレストラン「Le phare(ルファル)」といった飲食店には固定客が付いていますね。カップケーキ専門店「SALLY’S CUPCAKE」や、瓶牛乳やソフトクリームなどを販売する「円山牛乳販売店」などスイーツ店も多く、モダンなせんべい屋「サムライ煎兵衛」には贈答品にできるような商品も置いてあります。
渡邉会長:美容室やクリーニング店など飲食以外の店も多いですし、観葉植物を扱う店やぬいぐるみ専門店などニッチなお店もあり、多彩に楽しめると思います。
――企画されているイベントなどで、特に力を入れていることはありますか。
渡邉会長:イベントに参加してくださった方が、その日だけでなく日常的に商店街に足を運んでくださるよう心がけています。最大のイベントである夏祭りを維持するため、来年以降はスポンサーや寄付金集めにより力を入れる必要があると考えています。初代会長の時からのこだわりで、「裏参道商店街」の夏祭りに出店するのは地元の店とフリーマーケットのみなんです。
渡邉会長:プロの業者さんを入れると市内でやっている他の祭りと一緒になってしまいますし、裏参道のレストランが出店することでお店のことを知ってもらえる良い機会でもあると思います。昨年は前述の「Le phare(ルファル)」も屋台を出し、大いに喜んでいただけました。
文教エリアで治安が良く、生活利便性の高い円山エリア
――円山エリアの魅力はどんなところでしょうか。住民や商店街の利用者層についてもお聞かせください。
渡邉会長:円山地区は、東京でいうと世田谷区の高級住宅地である成城のような街です。アッパークラスが多く住む文教エリアなので、治安が良く、安心して暮らせるところだと思います。円山地区のはずれに「札幌医科大学」とその附属病院を含め、病院やクリニックがたくさんあることも、安心感につながっているように感じます。
「札幌市立円山小学校」は公立小学校ですが、そんなエリアの印象もあるからか、お子さんをここに入学させるために引っ越してくる人がいるほど人気があると聞いています。
渡邉会長:大抵のものは「マルヤマクラス」で手に入りますし、商店街には専門店がたくさんあるので、買い物も便利です。商店街には、昼間はマダムが目立ちますね。そういった方々をターゲットにした洋服のセレクトショップもありますよ。
近隣にお住まいの方だけでなく、「円山公園」に遊びに来る人の利用もありますね。緑豊かな「円山公園」が近いのもこのエリアの魅力のひとつでしょう。
――最後にこれから円山エリアに住むことを検討されている皆様へ、メッセージをお願いします。
渡邉会長:落ち着いた街で利便性も高く、非常に住みやすい場所です。このエリアで不動産業を営んでいる者としては、この辺りのマンションの資産価値は、傾向から見ても上がる可能性が高いということも言い添えておきたいですね。札幌市内ではトップクラスの価値があると思います。

裏参道商店振興会
会長 渡邉 一弘さん
所在地:北海道札幌市中央区大通西19丁目1-328-101
電話番号:011-640-6550
URL:https://urasando.net/
※この情報は2023(令和5)年11月時点のものです。